イデフロンETFEの構造と特性

導体(スズメッキ軟銅線、ニッケルメッキ軟銅線)にふっ素樹脂ETFEを押出被覆した電線で、他のイデフロン電線に比較してやや硬く、連続使用温度も-100℃~+150℃と若干劣ります。電気的特性、化学的特性は、殆ど同等で機械的強度においてすぐれています。
他のケーブルの場合、強くあるいは急激に引張るなどの取り扱いをするとケーブル同志、又はケーブルと支持物とが強くこすれあい、被覆が損傷することがあります。工業用ケーブルの破損の中で最も多いのがカットスルーであり、特に配線時によく発生しますがETFEは被覆が薄くても、又高温状態においても他の絶縁材料に比べて、はるかにカットスルー抵抗が大であります。ETFEは、そのすぐれた電気特性と機械的強じんさにより、電子工業ではきわめて、すぐれた材料になっています。たとえば電子計算機のラッピング式配線を行う電線には最適であります。

耐熱温度 -100℃から+150℃

導体 絶縁体
厚さ
mm
標準仕上
り外径
mm
スパーク
テスト
V/0.15秒
絶縁抵抗
20℃
MΩ-km
絶縁体の物理的性質
径又は
断面積
m㎡
構成
本/mm
外径
mm
引張強さ
Mpa
伸び
%
0.30 12/0.18 0.7 0.4 1.5 1,500以上 2,500 20以上 100以上
0.50 19/0.18 0.9 0.4 1.7
0.75 30/0.18 1.1 0.4 1.9
1.25 50/0.18 1.5 0.4 2.3 2,000
2.00 37/0.26 1.8 0.4 2.6 1,500
3.50 45/0.32 2.5 0.4 3.3
5.50 35/0.45 3.1 0.5 4.1
8.00 50/0.45 3.7 0.6 4.9
14.00 88/0.45 4.9 0.7 6.3